人生、負け勝ち

バレーボール元全日本女子チーム監督

柳本晶一さんの講演を拝聴してきました。

 

大変饒舌な語り口でお話しに引き込まれました。普段は聴くことの出来ない裏話も沢山あり貴重な体験でした。

 

今でこそ「全日本代表の復活請け負い人」の異名を持つ柳本さんですが、メディアで華々しく讃えられるまでの道のりは苦難の連続だったそうです。

 

印象に残ったエピソードを備忘録的に…

 

監督、指導者、リーダーとして常に意識していたのは下記のふたつ

❶目標の明確化

❷キャスティング

 

まず❶について

柳本さんが着任した当時の日本女子バレーはかつての栄光は微塵もない、二度と復活出来ないと囁かれる状況でした。

 

当時のチーム目標は、世界一どころかアジア圏一部地域で優勝することに成り下がっており、それを問題視した監督は、報道陣がたった4人しか集まらない記者会見でチーム目標を聞かれ、

「オリンピックでメダルを取る」

と明言。居合わせた記者に呆れ顔をされ大変悔しい思いをしたそうです。

 

しかし、柳本監督はこう考えました。

選手を魚に例えるなら、水槽の中の仕切りを外してやらないと世界の海へ出て行けず、いつまでも濁った水を泳がせなければならない。だから明確な高い目標を掲げて選手達の可能性を伸ばしてやることに尽力するべきだ、と。

 

そして❷について

どんな選手を起用するか。

当時のバレーボール協会から「こいつらは絶対に使うな」と烙印を押されたある2名の選手を、なんとチームの主要メンバーに据えてしまいました。

これは単に協会への反発からではなく、この2人が共通して大きな挫折を経験していたからだそうです。

扱いづらく言うことを聞かないプレイヤーだったそうですが、誰よりも沢山練習し正念場でのピンチを乗り越える力を持っているところを見込んでの決断でした。その結果、その選手がチームの大黒柱となり復活劇の中心人物へ成長したのです。

 

その他にも沢山素敵なフレーズを頂きました。

 

・なんどもなんども壁にぶつかるが、そのうちに壁がドアに変わる瞬間がやってくる。

・バレーボールの試合中、インターバルでは誰一人として絶対にネガティヴな発言をしない!

・やり切るだけやり切って、そこから+1努力できるかが一流と二流の差

・リーダーは3つの「切る」を大切に

    割り切る、やり切る、思い切る

 

人生、負け勝ちとは

必ず浮き沈みがある中で、その挫折した経験をどうバネに変えるかが本当の勝負の分かれ目ですよ、という意味だそうです。

大変学びの多い時間でした。感謝